今回は一見意外に思う中国茶と戦争との関係についてお伝えしたいと思います。
『お茶が戦争と何の関係があるの!?』と思われる方も多いと思います。
しかし、アメリカ独立戦争のきっかけは“ボストン茶会事件”です。
紅茶を海に捨てたことから戦争が始まりました。
当時の世界最強国イギリスで紅茶が好まれたことによって、お茶と戦争は意外に身近なものです。
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今日お話しするのは1840年に中国(当時は清)とイギリスの間で起こったアヘン戦争についてです。
実は私は歴史が大好きで、中国茶と関係している史実があることは個人的に大変運命(!?)を感じています。
と同時にアヘン戦争はアジア圏の民族が当時いかに白人社会から馬鹿にされていたかを表すような史実だと思います。
歴史に興味のない方もいらっしゃると思いますが、後学のために是非最後までお付き合いください。


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■■  中国茶豆知識!テーマ『中国茶が起こした戦争』   ■■
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1800年代前半の時代、イギリスでは紅茶が大流行していましたが、その茶葉や茶器は中国から輸入していました。

中国で紅茶!?

と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、当時はまだインドでの紅茶の生産は始まったばかりで、消費されるほとんどの紅茶は
中国から輸入されたものでした。
イギリスでは紅茶や陶磁器の需要が高く中国からの輸入に頼らざるを得ません。

しかし、イギリスから中国に売るものが少なく、貿易赤字が拡大し、当時貿易の決済に使われていた銀が大量に流出します。
この事態を打開すべく、イギリスは植民地インドで栽培したアヘンを中国に密輸し、貿易赤字を補填する策に出ました。
中国ではアヘンが大流行してしまい、たくさんの廃人が出る状態となってしまいます。
イギリスは自らの利益のために中国人民を廃人にしたわけです。全くひどい話です。

中国(清)政府は欽差大臣(アヘン取締特命大臣)として林則徐を、当時アヘン密輸の根拠地であった広東省・広州に派遣します。
林則徐はアヘン商人からの賄賂にも応じず、気持ちの良いくらい徹底的に取締りを行います。
イギリス商人が保有するアヘンを集めて焼却し、密輸にかかわる全ての商人を追放しました。

これに怒ったイギリスは、なんと議会で中国攻撃を決定します。
どっちが悪いかは明白ですが、実力行使に出れば当時はイギリスが強いに決まってますね。
軍艦を出して広州に到着しましたが、小競り合いの後、イギリスは皇帝のいる北京の近く、天津を攻めます。
完全に恐れをなした皇帝は林則徐を左遷させ、イギリスの要求をのんでしまいます。
(現在の中国では林則徐はヒーローとして扱われています。)

そして南京条約を結んだ結果、皆さんもご存じの通り香港がイギリスの植民地(1999年までの期限付)となりました。
これで密輸していたアヘンを堂々と輸出できることになったイギリス。
その後も中国人民へのアヘン汚染は戦後まで続きます。
全くひどい話ですね。。。
その反動で現在の中国では麻薬は重罪で死刑の対象になっています。

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中国での紅茶の生産はヨーロッパ人のために始まりました。
高いレートで販売できるヨーロッパへの紅茶輸出は中国にとっても魅力で、現在でもイギリスでは中国紅茶は大変好まれており、
生産される大半はヨーロッパに輸出されています。

特に世界3大紅茶の1つである『キーモン』は大変有名で人気があります。
■祁門紅茶(キーモン)
https://www.chachanet.com/product/29

また、紅茶発祥の地といわれる武夷山産には紅茶のルーツといわれる正山小種(ラプサンスーチョン)があります。
イギリスではアフタヌーンティーでよく飲まれます。
■正山小種(ラプサンスーチョン)
https://www.chachanet.com/product/30

日本ではあまり知られていませんが、雲南省の紅茶もイギリスでは人気があります。
日本ではてん紅(中国語=ディンホン)と呼ばれますが、 イギリスでは雲南の中国語読みのまま『ユンナン』と呼ばれます。
■てん紅(ユンナン)
https://www.chachanet.com/product/31
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中国茶豆知識! テーマ『中国茶が起こした戦争』いかがでしたか?
中国では戦前の様々な出来事によっていつも日本が目の敵にされますが、私個人的には
アヘンで中国人民を廃人にしたイギリス人が全く目の敵にされないのはちょっと変だと思います。
まぁ、どちらが悪いのかを比べるのは良くないことなので・・・
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