1000種類を超えるとも言われる中国茶の数々。
その銘柄の数を明確に知る人は1人もいません。日々、名も無い野に生える茶に新しい茶名が付いていくからです。

数が多すぎて理解しにくい中国茶にも製造方法によって区分する“6大分類”を知る事によって理解を深める事ができます。
今回は中国茶の基本ともいえる“6大分類”を学んで頂きたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合い下さい。


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■■   中国茶豆知識! テーマ『中国茶6大分類』    ■■
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◆中国茶の6大分類

緑茶(無発酵) - 0%酸化
白茶(弱発酵) - 10~15%酸化
黄茶(弱後発酵) - 10~15%酸化
青茶(半発酵) - 15~70%酸化
紅茶(完全発酵) - 80~100%酸化
黒茶(後発酵) - 発酵茶

中国茶における『発酵』には
『本当の発酵』と『ニセの発酵』があります。
『本当の発酵』のお茶とは微生物発酵茶のことです。
プーアール茶などの『黒茶』は『本当の発酵』を経たお茶です。
他の食品では納豆・味噌・ヨーグルトなどがこれにあたります。
ですからプーアール茶が体に良いと言われるのも(本当の)発酵茶である事を考えれば納得感があります。

一方、『ニセの発酵』はお茶の世界にしかない観念です。
茶葉は茶樹から離れた瞬間から『酸化』して茶色に変化していきます。
この『酸化』をお茶の世界では発酵と呼んでいます。紅茶や青茶(烏龍茶)などがこれに当たります。


それでは各分類について解説していきましょう。

◆緑茶

緑茶は無発酵(酸化)のお茶です。
中国茶の75%は緑茶です。
日本人は中国茶というと『烏龍茶』や『プーアール茶』などを想像しがちですが、中国でも緑茶が主流です。
茶葉の酸化は熱で止めるのですが、日本の緑茶は蒸した熱で止めるのに対し、中国の緑茶は煎る熱で止めます(一部例外あり)。
従って同じ緑茶でも味わいが違います。

主な銘柄は『龍井』『碧螺春』『黄山毛峰』等。


◆白茶

軽く酸化したお茶で、白い産毛を帯びたお茶の芽が多用されるため、白茶と呼ばれます。
殆ど福建省産です。

主な銘柄は『白毫銀針』『白牡丹』『寿眉』等。


◆黄茶

軽く酸化した後『悶黄』と呼ばれる高湿度環境の独特な工程を採ることが最大の特徴です。
産量は少ないのですが、産地は多く全国各地で作られています。

主な銘柄は『君山銀針』『霍山黄芽』『蒙頂黄芽』等。


◆青茶

日本人にも馴染みのある烏龍茶が青茶です。
とはいっても青茶には発酵(酸化)の軽い緑茶に近いものから発酵(酸化)の重い紅茶に近いものまで様々な種類があります。
青茶は何といっても香りの豊かさに特徴があります。
日本で一般的な『烏龍茶』を想像すると全く違うものと感じるものもたくさんあります。
産地は殆どが福建省で、台湾・広東省がそれに続きます。
産量は中国茶全体の10%程度です。

主な銘柄は『大紅袍』『鳳凰単叢』『安渓鉄観音』『凍頂烏龍茶』等。


◆紅茶

インドやスリランカのものと思われがちな紅茶も実は中国が発祥です。
発酵(酸化)の重いお茶を好むヨーロッパ人に合わせて作られた紅茶は現在でもその殆どがイギリスを中心とした各地に輸出されています。

主な銘柄は『祁門』『正山小種』等。


◆黒茶

本当の発酵茶はこの黒茶だけです。
微生物発酵茶の特徴は、発酵が続くことによって味がまろやかに美味しくなるため、長期間の保存が可能であるということに尽きます。
年数を増せば増すほど美味しくなるのは、中国茶を頻繁に飲まない人でも急いで飲む必要も無いのでじっくり付き合えますね。

主な銘柄は『プーアール茶』『黒磚茶』『茯苓茶』等。

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中国茶豆知識! テーマ『中国茶6大分類』いかがでしたか?

詳しく語るととても長い文章になりますので結果的に簡単な説明となりましたが、この6大分類の知識を前提にホームページを

ご覧いただくとより見やすくなるのではないかと思います。
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